こんにちは~~。
前回の記事で、
『次の記事では
☆色おんぷを使うことのメリットとデメリットについて
☆色おんぷや音名表示の仕方と注意したい大切なこと
について書きたいと思っています。』
という予告をいたしましたので、今回はそれについて書いてみます。
人は、楽譜などを見ながら楽器を演奏するとき、演奏しながら処理しなければならないことがたくさんあります。
目で楽譜見て音を確認→楽器を見てどこかを見つける→どの指で鳴らすか考える→鳴らす→耳で音を聴く→楽譜を見てさっきひいた音の次の音を探し確認→楽器‥‥‥
というように、やるべき事がたくさんあり過ぎます。何度も何度も経験しているうちに、そのルーティンに慣れてきて早くできるようになっていくことが多いとは思います。しかし、そのどこかの処理につまづきがある場合、かなり苦戦します。音楽は本来楽しむためにあるはずなのに、その苦行のせいで音楽嫌いにさせてしまっては意味がありません。そこで、どこにつまづきがあるのかを明確にして取り組むこと、それがわからない場合は、色々なところでのつまづきを想定して取り組むことが大切だと考えます。
・どのようなつまずきがあるのだろう??
目の機能の問題‥‥‥‥鍵盤の白と黒の規則的な並びが入りにくい、楽譜の音符の位置がわかりにくい、見たいところにすぐ視点がいかない(視点を移すのが苦手)、文字や色がわからない、など。
手の機能の問題‥‥‥‥動かしたい指と実際に動く指が一致しない、力がたりない、一本ずつ動かない、など。
理解の問題‥‥‥‥‥そもそも、楽譜が何を表しているのかがわからない、文字や色を理解していない、など。
主に上のようなつまずきが考えられます。そのつまずきに合わせた支援が必要になってきます。
その中でも主に必要になってくるのが音階の表示です。
●音階の表示について
音階があることを知り、いざ楽器を演奏しようとしたとき、どの場所(鍵盤等)が何の音なのかがわからないと、どこから演奏をはじめたらよいのかもわからないので、まず鍵盤の形や位置を学ぶという必要性が出てきます。この方法にも様々な方法があり、多くの指導者は、その子どもに合った方法で工夫しながら伝えていると考えます。しかし、その鍵盤の位置を素早く理解する子と、それに時間を要する子がいて、後者の場合、そこに時間をかけすぎると演奏になかなかたどり着けないので、演奏する楽しさを優先させるために鍵盤に音の表示をする方が良いと私は思います。
音名の表示の仕方としての方法は2つあって、
ドレミファソラシドの文字をカタカナかひらがなで表示する方法と、
色で表示する方法です。
2つを合わせる方法もあります。(色と文字をあわせる。)
文字を読むことと色の判別のどちらの方が楽にできるか、どちらの方が好きかでどちらを選ぶか決まってきます。ぬり絵などの色を使う遊びが好きな子には色が向いているかもしれません。
☆音の表示を色ですることのメリットとデメリット
色で表示をすることは、文字を理解する前の段階でも使うことができるため、とても有効と考えます。しかし、デメリットもあります。いくつかあげてみますと、
・学校、幼稚園、家庭、など場所によって楽器に使われている色表示が違うことがあります。楽器の玩具にも色がついているものが多く、その色が様々であると混乱することがあります。学校などでは共用の楽器に色表示されていることがあるので、その色が普段使っている色表示と違う場合、何らかの対処が必要になるでしょう。
・子どもの頃から色表示を多く使うと、音のイメージと色のイメージが頭の中でリンクされます。音楽以外の場面でも、その色を見たとき、音のイメージが浮かぶことがあるかもしれません。私は長年色音符を使ってきていますが、そのイメージのせいで困るということは聞いたことが今のところないので、それが大きなデメリットとは思いませんが、イメージを作ってしまうため、使って良いかの確認を保護者や個人にしたほうが良いかもしれません。その時に、家庭での楽器のことも確認すると良いと思います。
・どの音をどの色にするか、ということを決める必要があります。一般的によく使われている音の並びが、2〜3種類あります。
ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド
🔴 🟡 🟢 🟠 🔵 🟣 ⚪ 🔴
これは、「世界中にいろおんぷ」たなかすみこ著
で紹介されている色です。
他にもありますが、ここでは割愛します。
この色の場合、
🔴ドは大事な赤のイメージ
🟡レはレモン色の黄色
🟢ミはミドリのミで緑
🟠ファはファイトで元気な色のオレンジ
🔵ソは青い空の青
🟣ラはム㋶サキのラ
⚪シは白のシ
イメージしやすい色ではありますが、一つだけ難点を言えば、白というのは楽譜に色を塗ったりしにくいので、少し使いにくい点があります。
感覚の豊かさや敏感さを持っている子どもたちの中には、音に対する色のイメージをすでに持っている子もいます。そのような子の場合は、どの音を何色にするかを一緒に決める方法もあります。
その場合、指導者側からみると、指導する子どもによって色が違うので、教材の準備などに少し苦労しますので多くの子どもたちを指導する場合には向かない方法かもしれません。
長くなってしまったので、
表示の仕方と、注意点についてはまた次の記事にしたいと思います。
読んでくださりありがとうございました。